2018-05-10

シルクスクリーン印刷の現場/株式会社GIグランド

日本国際ポスター美術館で開催中の「大垣まつり世界のポスター展」。

世界各国から集まったデザインのポスターは全て、ユネスコ無形文化財の本美濃紙に郡上発祥のシルクスクリーンという印刷技法でプリントされています。

このシルクスクリーン印刷を担当したのが、岐阜市に工場を構える印刷会社「株式会社GIグランド」さんです。

シルクスクリーンという言葉は、近年よく耳にするようになりましたが、実際それがどのような印刷技法であるのか、詳しくは知らない方も多いのではないでしょうか?

今回は社長の戸田陽介さんに工場を見学させていただきました!

工場に一歩足を踏み入れると、ほのかにインクの独特のにおいが漂います。

そこでは6名ほどの職人さんが黙々と作業に打ち込んでいました。

まず初めに見せていただいたのが、「シルクスクリーン」という言葉の由来であるスクリーンの部分。

もともとスクリーンが絹でできていたことから「シルクスクリーン印刷」と呼ばれるようになりました。

触らせていただくと、とても滑らかな指触り!

これを枠にはめて印刷する文字や柄を光で焼き付けたものが印刷の版になります。

かつては木枠を使っていましたが、現在はほとんどがアルミ枠。

スクリーンには細かな孔が空いており、ここにインクを通して印刷をするというとてもシンプルな仕組みです。

こちらは、枠にスクリーンを張るためのストレッチャーと呼ばれる機械。

空気を送ると、機械が作動して、スクリーンがたるまないようピンと張る仕組みになっています。

この工程は「紗張り(しゃばり)」と呼ばれます。

続いて、光に当てると硬化する乳剤をスクリーンに塗り、そこにポジフィルムと呼ばれる、印刷する柄や文字が描かれたフィルムを被せます。

そこに強い光を当てることで、黒く影になっている文字や柄の部分だけが硬化せずにインクが通る状態になります。

 

「水と空気以外であれば何にでも刷れる」ともいわれているのが、シルクスクリーン印刷の強み。

紙、布、プラスチック、金属など、GIグランドさんではあらゆるものへの印刷をしています。

お客さんからの依頼は様々で、やったことがないことを依頼されることもしばしば。

やったことがないからできないと判断するのではなく、「やったことがないからこそ、チャレンジしよう!」というのが戸田社長の考えです。

お客さんに「ここに来ればなんとかなる!」と思ってもらえたら嬉しいといいます。

 

2階では版を使ってTシャツの印刷が行われていました。

シルクスクリーンの特徴のひとつが、色の数だけ版が必要であるということ。

1つの版には1色しか使えないので、何度も重ねて印刷して完成させていきます。

職人さんはみな、手早く器用にこなしていますが、これも長年の経験を要する技です。

 

版に使う枠の数が限られているため、大垣祭り世界のポスター展に展示中のポスターの版はもう残っていませんでしたが、版に焼き付ける時に使ったポジフィルムを見せていただきました!

このポスターの場合、使う色はCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の4色。

オフセット印刷と同じように、これを重ねて印刷することでグラデーションなど微妙な色の表現を実現します。

今回のポスターは本美濃和紙を使ったため、色の出方が予想がつかなかったり、紙の縁に“耳”がついていて直角が計れなかったり、想像以上に苦労したのだとか。

印刷する色の順番も出来上がりの色味に影響しますが、どの順番で印刷したかは企業秘密……!

最終的には、長年の経験で培った職人さんの感覚だけが頼りです。

こうして、デジタルでは表現することのできない、伝統的な美濃和紙と現代的なデザインの両方を活かした美しいポスターが完成しました。

ポスターが作られた裏側を覗くと、展示されているポスターがより一層魅力的に見えてきます。ぜひ会場に足をお運びください!


株式会社GIグランド

住所:岐阜県岐阜市西鶉6-53-2

 

 

 

 

 

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